ホテルパン参考資料

ホテルパン・ガストロノームパン

ホテルパンはホテルやレストラン、病院などのビュッフェ料理や調理に使用する鍋で、日本国内では主にスチームコンベクションオーブン等での大量調理に使用されています。また、ホテルパンを組み合わせて料理のディスプレイを行ったり、調理時のトッピングの容器としてなど様々な用途に使用できます。なお、ガストロノームパンとは欧州のガストロノーム規格に適合した商品のことを指します。Vollrath社のホテルパン(エスピースリー、エスピーファイブ等)は米国向けの商品のため、ガストロノームを標榜しませんが、ガストロノームパンと同等の基準で設計されており、またNSF規格に適合した商品ですので安心してお使いいただけます。

ホテルパンの材質

[ステンレス]
錆びにくく、汚れにも強いので業務用厨房では最適です。焼く、煮る、蒸すなどすべての調理に万能です。

[アルミ]
ステンレスの15倍以上の熱伝導率を誇り、焼き目がつき、焼きムラが少なく仕上がりますので、焼物調理に優れています。またフリーザーなどでの冷却にも最適です。軽量ですが、やわらかい材質のため、熱や衝撃により変形しやすい特徴があります。

ステンレス素材

ステンレスは鉄に12%以上のクロムを含み、加えてニッケル・モリブデン・銅などを配合して耐食性、耐熱性、加工性などを向上させた合金鋼です。用途に応じて配合が変わり、食品に直接触れるホテルパンではSUS301~304が一般的ですが、安価なSU201、202が使用されている商品も一部存在します。

SUS301~304
クロームが16%~20%、ニッケルが6%~20%程度ふくまれるもの。クロームやニッケルが高価なため、値段は高くなりますが耐食性にすぐれます。(次項参照)

SUS201、202
クロームが16%~19%、ニッケルが3.5%~6%以下で含まれるもの。強度は高いものの、ニッケル含有量が少なくマンガン含有量が多いため変色して錆びることがあります。但し、価格はSUS301~304と比較し安価です。

フッ素樹脂加工

ノンスティック加工やテフロンTM加工とも呼ばれ、フッ素樹脂をホテルパンに吹き付けて加工します。焦げ付きやこびりつきを減らし、洗浄を容易にします。

使用に際して以下の注意が必要です。
・耐熱温度は260℃で、それを超える温度での使用はフッ素樹脂を劣化させます。
・金属製のヘラなどでこすると傷が付きます。
・吹き付け加工のため、数ヶ月から1年程度の使用で塗装がはがれる場合があります。
・つけおき洗いなど長時間水に浸すことは避けてください。
※テフロンTMは米国ケマーズTM社(The Chemours Company)の商標です。